その場所の気候や自然や歴史、そこに暮らす人や家族など、様々な情報を「layer=層」のように透かし重ねることから見える、近い未来にふさわしい生活の場やモノコトを生み出す、一枚の「layer=層」として、何気ない日常に喜びをもたらすデザインを目指しています。
「専門家」としての責任や職能を全うすることは大前提として、そこから一歩踏み出して、「専門」という閉鎖的なプロセスを「opened=オープンド=開かれた」な状態とし、専門ではない人も参加しやすい共創のプロセスを加えることで、より多くの人々にとって喜び溢れる生活の場やモノコトが生まれるのではないか。そのような「つくりかたの未来」、「+ Open Design」を目指しています。
人の暮らしは風土の一部です。身近な環境の変化を振り返ってみると、少しずつ以前と違っていることに気づきます。地球の温暖化の原因には諸説ありますが、人のふるまいと無関係ではなさそうです。人の力を超える大きな力や人がつくり出す大きな力によって、何気ない日常がつくられ、時に壊されています。何気ない日常を持続できるよう、その拠り所となる身近な環境を持続できるデザインを目指しています。
人の暮らしには、地震、火災、風雨、光、温度、音など様々な因子が作用しています。それらがある程度制御されることによって、人の暮らしは成り立っています。その制御の仕方や制御の度合いが性能で表されます。例えば建築では、構造の安定、火災時の安全、劣化の軽減、維持管理への配慮、温熱環境、空気環境、光・視環境、音環境、高齢者への配慮、防犯安全という性能が挙げられます。それらについて経験や勘や感覚を大切にしつつ、数値に置き換えた客観的なデザインを目指しています。
「Performance=性能」、「cost=価格」、「value=価値」など、人の暮らしの何気ない日常には様々な選択肢があります。全てに高性能を求めるのか、その場合の価格はどうなのか、性能や価格には変えられない価値もあります。それぞれの暮らしに応じたバランスの良いデザインを目指しています。
性能やコストの客観的な評価だけで人の暮らしを捉えられるでしょうか。望む性能やコストをバランスよく満足しながら、最終的に出来上がったモノや空間に「美しさ」や「気持ちよさ」や「居心地のよさ」を感じられるような、人の感性を大切にしたデザインを目指しています。